第5期 実践講座スタートしました

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《5期生の2年目実践講座スタート》

真庭なりわい塾の1年目は基礎講座、農山村での学びを通して「X年後の自分」をデザインします。2年目はそれをふまえて、体を動かしながら学びを吸収していきます。

塾生から「自給自足とまではいかなくとも、自分で野菜やお米を作ったり、郷土料理や保存食を習うことで暮らしに役立てたい」「地域づくりに関わってみたい」「北房でゆっくりする時間が欲しい」「地域の方のお話をもっと聞いてみたい」という希望と、受け入れてくださる地域の方の意見や、地域の方が塾生としたいことなどを擦り合わして実践講座を行います。

北房地区で初めて開催する実践講座です。例年実践講座では、2~3つほどプロジェクトチームに分かれて活動を行ってきましたが、今年度はプロジェクトごとに分かれるのではなく、北房の中でも「阿口地域の杉集落」をフィールドに半年間活動をさせていただくこととなりました。

山一面の桜を毎年見ながら花見ができるようにと、山を整備し桜の植樹を行っている「杉さくらの杜育てて観る会」の活動のお手伝いや、阿口の集落を紹介する冊子づくりの活動に参加させていただきながら、農体験や食の体験などもしていきます。

6月は集落歩き、農体験として休耕地を耕しサツマイモの植え付けを行いました。

■1日目<集落歩き>

杉集落でこれからお世話になる地域の方と塾生の顔合わせと自己紹介を行い、地元の方に集落をご案内いただきました。

阿口は北房の中でも標高400mほどの、鍾乳洞なども多いカルスト台地の山の上にある地域です。集落の中、野山の中を歩き、「岩屋の穴」や「顔無し地蔵」の史跡を巡ったりと、2時間ほど歩きました。人々が暮らす家々のあたりを歩くのかなと想像していた塾生にとっては、ちょっとしたトレッキングのようだったそう。

杉の杜の中を歩く塾生たち

杉集落の方の暮らしは、家や庭先の畑、田んぼ、離れたところにあるスーパーで完結するわけではなく、山や川からの恵みを受け、地域に昔から守っている神様に感謝をする祭りがあり、そのすべてで暮らしが作られていることを歩いて体感しました。阿口の野菜と阿口で獲れたイノシシ肉を使ったカレーを自炊し、地域の方も一緒に晩御飯を食べました。

夜は、地元の方の案内の元、6月のこの時期しか見れない蛍を見に行きました。

■2日目<畑仕事と冊子作り>

2日目は朝から、サツマイモの苗の植え付けを通して、畑周りの仕事を教えていただきました。耕運機や刈払機などの機械の使い方、猪避けの柵作り、耕運、畝立て、マルチの張り方、最後にサツマイモの苗の植え方など、様々な作業を体験しました。

また、畑の梅の木から梅を収穫させていただき、梅シロップの仕込みも習いました。梅を洗って、ヘタを取って、梅に傷をつけて、お砂糖と酢と一緒に梅を瓶に入れます。このシロップを使った梅ジュースが飲めるのは来月の実践講座。楽しみです。

お昼前に作業を終え、阿口の集落を紹介する冊子づくりの意見交換をしました。「こうあってほしい未来のこと・過去のことを孫や子どもに伝えるものにしたい」という地域の方の願いを受けて、どのような方法で、何について取材・掲載するかについて、意見を出し合いました。

■おわりに

北房地区でスタートした第5期は、1年目は本当にコロナに振り回された年でした。本来真庭なりわい塾は月に一度、フィールドとなる農山村に通い、地域の方に実際に会ってお話を聞いたり集落を歩いたり地域で過ごす時間が多いのですが、コロナのこともあって、講義などはオンラインで代替対応したこともあり、1年目はなかなか十分に北房で過ごすことが出来ませんでした。2年目は実践的な学びを地域の中で行うため、オンラインでは替えが効きません。

まだコロナが終息したわけではない状況の中で、北房で2年目の実践講座をスタートさせるには地域の方の理解があってこそできることです。改めまして、北房の皆さん、阿口地域の皆さん、そして様々な学びを教えてくださる杉集落の皆さん、実践講座と塾生の受け入れのご理解ご協力いただきましてありがとうございます。半年間、よろしくお願いいたします。