1月25日(土)~26日(日)に、最終講座を開催しました。最終講座では、塾生一人一人が、「X年後の自分」について発表を行います。X年後は、いつに設定しても構いません。自分自身のこれまでの歩みを振り返りながら、X年後に、どこで、どのように、どんな暮らしをしたいのか。それぞれの夢や目標を語ります。発表形式は、スライドや動画を投影したり、模造紙にまとめたり、楽器を演奏するなど、今年も塾生一人一人が工夫を凝らして行いました。
発表に先立ち、渋澤寿一塾長より、「Do(何をするのか)だけを発表するのではなく、Be(どのようにあるのか)を意識しながら発表してほしい」というお話がありました。たとえば学校で、子どもたちに将来の夢を問うと、「こんな職業に就きたい」といったことばかりを発表するけれども、職業だけが人生ではないはず。自分にとっての幸せとは何かを考えながら、X年後のそれぞれの在り方や大切にしたいことを語り合う、そんな場にしたいという提案です。
ある塾生は、仕事に追われながら、でも仕事だけが生きがいで、とうとう体を壊してしまった過去を振り返りつつ、その後の歩みを「樹」に描いて表現してくれました。次第に体力を回復し、ようやくご飯を食べられた時に心からおいしいと感じたこと。その後、「1日3食、しっかり食べる」「体力をつける」といったことを目標に動きだしたこと。そして塾に参加したことをきっかけに、人との出会いや活動が一気に広がり、来年からは、塾で出会った仲間とともに「米づくりに挑戦したい」と考えていること。その道筋は力強く、希望を感じました。
今までは「稼ぎ」と「楽しみ」ばかりに重点を置いていただけれども、これからは「つながり」を大切にしたい。自分の手でつくれるものを少しずつ増やして、丁寧な暮らしを目指したい。自然エネルギーを活用したオフグリッド生活を実現したい。農福連携など、皆が共に幸せに生きる場づくりを目指したい等、塾生一人一人の想いはさまざまです。それでも、目指す社会の姿や幸せのカタチには、多くの共通点があるように感じました。
発表の間には、それを聞いている側にも、涙あり、笑いあり……。仲間に触発されて、再び自分を想う、ぜいたくな時間です。そして最後には1期生との結婚発表の一幕もあり、おおいに会場は盛り上がりました。夜の懇親会では、参加いただいた地域の皆さんとの会話もはずみます。
そして、2日目。塾長による修了証書の授与が行われました。修了証書は、真庭市の樫西和紙でつくったものです。塾を通して出会った仲間たち、そして、お世話になった地域の皆さんとのつながりが、この色とりどりのデザインのように、皆さんの人生をより豊かにするように願っています。
さて、次年度は、2年目の実践講座を開催します。基礎講座と同じく、真庭市中和地区をフィールドとしたプログラムは、以下の3つです。
(1)里山資源を活用したモノと場づくりプロジェクト
生ゴミコンポストや自家菜園、エコトイレやかまどづくり等の実践を通して、エコライフをデザインします。
(2)里山の食と薬プロジェクト
野草、薬草、蚕糸、狩猟、昆虫など、さまざまな里山資源の採取や加工、利用方法を地元の方から学びながら実践し、ハンドブックを作成します。
(3)お金とエネルギーの地域内循環プロジェクト
小水力発電などの基礎を学び、オフグリッド生活をデザイン。また、「ありがとう」がつながる暮らしの実現のために、中和地区での地域通貨の活用を検討します。
なお、4期生の一人が移住する三重県名張市では、塾生有志が古代米づくりなど、有機農業に挑戦することになりました。名張の活動するメンバーも、中和地区で開催する実践講座の一コマに合流し、情報交換を行いながら、次年度も塾生同士の交流を深めたいと考えています。
詳細は、改めて2月初旬に、4期生の皆さんにお知らせします。
どうぞ、これからもよろしくお願いします。