講座報告

第9回 「これからの社会のカタチ-小さな里山資本主義-(修了レポート発表/修了式)」

2017年2月25、26日(土・日)に真庭なりわい塾の最終講座を実施しました。

今回の講座では「これからの社会のカタチ-小さな里山資本主義-」と題し、塾生全員の修了レポート発表と修了式を行いました。

 

■修了レポート発表「X年後の自分を描く」

修了レポート発表のテーマは「X年後の自分を描く」です。塾生たちは、X年後を自由に設定して、自分の未来の姿を発表しました。Ⅹ年後、どんな場所で、どんな気持ちで暮らしているのか。塾生たちは、お琴を弾いたり、絵を描いたり、ラジオ番組を作ってみたり、様々な方法で「X年後」を表現してくれました。

 

大阪から通う30代の女性Sさんは「半会社員 半農的生活」と題して、5年後のある週末の過ごし方を発表してくれました。

「平日のお仕事を終えて、週末は中和地区に向かいます。到着後は大好きな温泉で心身のスイッチを切り替え、夜は農家民宿で美味しい夕食をいただきます。朝、さわやかな気持ちで目覚めたら、田畑に出て汗を流して無心に体を動かします。夜は馴染みのお店に、中和に通う仲間たちが集って近況を報告したり、意見交換をしたりしながら一緒に夕食をいただきます。」

都市部で会社勤めをしながらも、中和で自分の身体を動かして農作業を実践することで、消費者として断片的にしか知らない『作物をつくること』『食べること』を知りたい。そんな思いから、こんなX年後を描いたそうです。塾に通うようになって、より前向きな気持ちで今の仕事に向かうことが出来るようになったと笑顔で話していたことも、とても印象的でした。

 

津山市から通う30代男性のKさんは、33年後の自分と地域を想像して発表してくれました。

「33年後は2050年。あの東京オリンピックから30年後という設定です。塾の講義では、広葉樹の森が33年サイクルで活用されていると聞きました。今の自分にできないことでも、33年後なら何か変わった自分になれているかもしれないと思い設定しました。」

「70歳の自分は、今の仕事を活かして無償で仕事をやっていると思います。地域通貨券などを利用して、5万円で生活できるコミュニティを作ってみたいとも思っています。そして、死ぬ前日まで好きな働き方をして、自宅で看取られたいと考えています。」

夫婦で塾に参加し、昨年、ある地域の古民家を購入し、山村に移住したKさん。火を使い、木を伐り、畑を耕す暮らしを少しずつ積み重ねながら、地域の寄り合いに参加して、まずは自分を知ってもらうことから始めたいと話していました。牛を飼うことにも挑戦したいというご夫妻の発表には、講師や塾生からのアドバイスもあり、会場の雰囲気はとても盛り上がりました。

 

京都から通う30代の女性Kさんは、塾や転職後の仕事を通じて変化したこの一年を振り返って発表してくれました。

「公務員を退職して地域に飛び込んだものの、当初はどこか自分に自信がありませんでした。何でもネガティブに考えてしまう『できないモード』だったと思います。でもこの一年で、ウナギ漁にチャレンジしてみたり、木灰でこんにゃくを作ってみたりと、思い切ってやってみると、意外と自分は何でもできることがわかりました。『できない』は自分の頭が決めつけてしまっているだけだと気が付きました。今は、根拠のない自信であふれた『できるモード』の自分になっています。」

「5年後の私は、生き方に対する価値観が同じパートナーと結婚して2人の子どもがいます。文章を書く仕事や、食など、暮らしにまつわる仕事をいくつか組み合わせて、バランス良く楽しくやっています。一風変わった色んな人が集まってくる家には、大きめのテーブルと薪ストーブがあります。そんな楽しい場所と人に揉まれて、子どもたちが育っています。」

この一年の経験から、「全部、自分でやらなくてもいいんだ」と気付いたというKさん。自分ができることと、誰かができることを集めて、みんなで分け合って生きる「大きな家族」のような場所を作りたいと話してくれました。春からまた新しい地域に飛び込むことが決まっているKさん。これからの活躍がとても楽しみです。

 

発表の会場には、市長、副市長をはじめ、中和地区の皆さまにもお越しいただき、塾長、副塾長とともに、塾生への激励のコメントをいただきました。温かいお言葉をたくさんいただき、本当にありがとうございました。

 

■懇親会

夜は、会場に来ていただいた中和地区の皆さま、塾生、スタッフ全員で懇親会を行いました。地元の猪肉を使った鍋をいただきながら、この一年間を振り返ったり、これからの夢を語り合ったり、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。遅くまで参加いただいた中和地区の皆さま、ありがとうございました。

 

■修了式

塾生の発表が終わった後は、この1年の「基礎講座」修了の証しとして「修了証」を授与しました。修了証は、真庭市の樫西地区の手漉き和紙で出来ています。どの塾生も、晴れやかな笑顔で修了証を受け取っていました。塾生の皆さん、一年間、お疲れ様でした。修了おめでとうございます。

 

■実践講座について

基礎講座を修了した塾生は、この春から始まる実践講座に参加します。実践講座では、塾生が「木の活用」「農と特産品」「里山のめぐみ」「地域づくり」という4つのプロジェクトに分かれ、地域の皆さんとともに活動します。塾生たちにとって、さらなる一歩を踏み出す機会になることでしょう。

 

■塾生からのメッセージ

<お世話になった中和地区の皆さまへ>

「多様な自然、きれいな景観、おいしい水、広い空、圧迫感のない中和地区の四季を体感し大好きになりました。地元の歴史やお祭りを知り、地域で子供たちを育て、学校を見守っているという環境がうらやましく、こんな環境で少年時代を過ごしたかったと思いました。」

「中和のみなさんが丹精込めて育てた米、野菜、卵……。どれもやさしい味のものばかりでした。作る方々がやさしいから、食べ物もみんなやさしく、おいしいものになるんだろうな、と思います。とれたてのワサビ、抜いてきたアスパラをそのままガリっとかじって食べたこと。真っ赤なトマトをもいで食べたこと。どれも初めてで、驚きの連続でした。」

「中和の方の人生のお話は知らないことが多く、30年ばかりしか生きていない私は、世の中の変化の早さに驚きました。それと同時に世の中が変化しているのならば、生き方も一つに囚われず、多様で、しなやかであってもいいのだと思え、心が軽くなりました。」

「塾に通い、中和地区の方々と交流するようになってから、私の心境や考え方は大きく変化しました。都市で生まれ育った私にとって、自然との関わり、田舎暮らし、地域のつとめを果たすことなどはとても難しく、高いハードルがある世界だと思っていましたが、わからないことは、地元の方に教わり、自分だけでできないことは助けを借りることで、そうしたハードルは乗り越えられると思えるようになってきました。中和地区の方々のオープンな姿勢と地元を愛する心に触れ、私も足を運ぶたびに中和地区のことがどんどん好きになってきています。」

「これからは、話しに来てくださるのを待つばかりでなく、私からもどんどん中和の方々とお話しをしに行きたいです。あたたかい中和の雰囲気が大好きです。ありがとうございました。2年目もお邪魔します。よろしくお願いします。」

 

■おわりに

一年間、塾を支えていただいた中和地区の皆さま、本当にありがとうございました。お陰さまで、塾生たちが多くの学びを得ることができました。塾生、スタッフ共に、今後とも末永いお付き合いをお願いいたします。

 

■第2期生募集中

真庭なりわい塾では、第2期塾生(基礎講座)を募集中です。

詳細は、ホームページのカリキュラム、募集要項をご覧ください。

 

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真庭なりわい塾 第9回講座

「経済と地域~自分でみつける『豊かさ』と『幸せ』の基準~」

開催日:2017年2月25、26日(土・日)

会場:津黒高原荘

内容:

(1)修了レポート発表

(2)修了式

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